図面トレースには性格が出る
図面を数多く見ていると、描き手の癖(ルール)が図面の中にちらほらと見えて面白いものです。
今日はそんな癖(ルール)について考えてみる。
一番分かりやすい例では、 「建築士のCAD図面」と、「現場たたき上げが描いたCAD図面」。
建築士のCAD図面
建築士免許を取る為様々なルールをしっかり覚え、知識も蓄え、誰が見てもわかる図面を描くことで初めて資格が取れるので、図面は非常に分かりやすく、かつとても見やすい図面となります。
当社がトレースする中が一番多いのが建築士が描かれた図面で、製本された図面がほとんどです。
現場たたき上げが描いたCAD図面
それと比較して
現場で図面を覚えた方は、各社仕様のルールを盛り込まれた図面を見て描き方を覚えてきているので、その会社特有のルールを含んだ図面となります。
誰が見てもわかるか?という観点で描かれていないのが特徴です。
というのも、その会社、部署に関わる人だけが理解すればよい図面ですので、汎用性はありません。
しかしそれでOKという図面は往々にしております。
このような独自ルールを盛り込まれた図面をトレースすることも少ないですが、忘れたころに依頼されます。
ルールがあるから分かりやすい
会社特有のルールを入れ込むからこそ分かりやすく(分かりにくく)なる。
例えば文字フォント、構造物等の大きさ、配置、使用色、線の太さなどが会社独自のルールで描かれます。
その為、パット見て必要な情報がすぐ理解できるようなCAD図面となっています。
それに引き換え、建築士の描いた図面は、建築士がみると誰でも理解できますが図面内のどの情報が重要か?
どこに必要とする情報が描いているのか?がすぐに判別できるわけではありません。
このように、建築士が描いたから分かりやすいか?と図面として分かりやすいか?は全く別物であります。
提出先によってCAD図面は変わる
成果物として設計資料を提出する際には、ルールにのっとった書き方で描いてもらわないと汎用性がなく困りますが、社内だけで使用する図面であれば、社内ルールにのっとった図面であれば、問題ないわけです。
当社がトレース依頼される多くは、製本された青焼き図面をCAD図面とすることが多いので、ほとんどは建築士が描いたCAD図面です。
ルールが変わって記号が変わっていることも時にはありますが、基本非常に見やすいです。
しかし、手書き図面は文字がつぶれていたり、癖のある字だったりと、全部が見やすいか?ということではありません。
色んな描き手の特徴を含んだ図面をCAD図面へトレースしているからこそ見える様々な描き手、会社様のルールには毎度驚かされるものです。
一度身の回りにある図面を見比べてみて描き手の事に想いを馳せてみるのも面白いかもしれません。