電子納品図面で勘違いしがちなこと
電子納品図面で勘違いしがちなこととは
図面トレース=紙図面のCAD化 ですが、CADトレースと電子納品の違いはなに?と時々聞かれることがあります。
確かにCADトレースは電子化して納品しているのにかかわらず、CADトレースと電子納品と言い分けている理由が分かりづらいですよね。
大まかな違いをザクっと紹介しますので、ご参考にしてください。
・2種類の大きな図面種類とは
民間の図面(設計事務所や、工場などの図面)
市町村の図面(国相手の仕事であり、各都道府県ごとに入札で仕事を取りに行くことが多い)
この2種類が大きな違いとなります。
民間の図面については、各社使いやすいルールをつけて図面を描いています。
市町村向けは、基本一つのルールにのっとって図面を描く必要があります。
・市町村、国向けの特殊な図面とは
特に NEXCO向けの図面がそうです。
高速道路の図面はほぼ国向けの仕事のようで、地域をまたいで展開しているので、NEXCO仕様のルールがあります。
また、市町村でも山間部が多き地域や、平野部が多い地域があり、大まかなルールは同じですが、地域によって少しだけ変わっているところがあります。
後で述べる図面チェッカーを使って、その地域のルールにのっとっている図面かどうかを調べる必要があります。
・電子納品の種類とは
地域事、会社毎にルールがあるように、道路と建物では構造が大きくちがいますので、構造物によって、使うソフトが少々変わります。
そのソフトで扱えるファイル形式に以下が上げられます。
SXF形式
SFC形式
p21
dxf形式
これらは土木や、建築関係でよく使われるファイル形式です。
・電子化ルールは各社それぞれ、市町村、地域による違いとは
先に述べましたが、民間用図面では、各社使いやすいようなルールで描いています。
しかし、市町村向けは全国共通のルールを設けられています。
当社でよく扱う図面では
・国土交通省、農林水産省向けの図面が多いです。
その中で各自治体で少し違うところが出てきます。
・土木関係と建築関係で扱う図面の違いとは
また、土木関係と建築関係では扱う図面の種類が異なり面白いので以下に上げます。
・土木関係では
実測平面図、横断図、構造図、詳細図、等高線図、地形図、道路図、補修図
・建築関係では
平面図、立面図、矩計図、展開図、断面図、意匠図、配置図
これらの図面でどのようなルールをもって書くのか?決めていきます。
・始めに喧嘩するつもりでルールを決める事とは
図面の中で扱うレイヤは多岐に渡ります。
建築では文字レイヤ、寸法レイヤ、躯体レイヤ、外構レイヤ、家具レイヤなどです
これらは図面内で描く、描かないに関わらず全レイヤを設定されたファイルを用いて図面を描くことになります。
そして民間では、配線の下書きにする図面では、寸法とそれ以外、のように2レイヤのみでCAD化するときもありますが、国交省仕様ではそうはいきません。
ですので、後で手間をかけても対応できるかどうか分かりませんので、仕事を始める前にしっかりと打ち合わせをしておき、共通認識を持ったうえでCAD図面を描き始めることが重要です。
このように、単純なCADトレースであれば、レイヤは最低限となり、電子納品は国交省仕様か、それに準ずる図面ということになります。
図面の電子化においてはやることに大した違いはありませんが独自ルールで描く CADトレースと市町村向けの電子納品に対応したCAD図面は書き方が大きく異なります。
最後に国交省仕様の図面はセキュリティ対策が出来ている会社に依頼する事をお忘れなく
当社も何度も国交省対応図面を書いていますので、図面にお困りの際にはお声掛けください。