CAD図面の外部委託のリスク管理
図面の保管や管理を担当する方が、図面を電子化する際に考慮すべき点は次のとおりです。
まず、図面を電子化する際には、社内の準備が整っていないという前提があります。
そのため、外部委託を検討する際には、外部委託に伴うリスクを十分に理解し、委託条件を決定します。また、業務の進捗確認や問題発生時の解決策なども事前に考慮しておく必要があります。 そこで以下のような考慮する項目が挙げられます。
・セキュリティ対策
・信頼性と実績
・契約条項と機密保持契約
・コミュニケーションと報告体制
・内部チェックと監査
・まとめ
・セキュリティ対策
外部の会社がどのような情報管理やデータ保護をしているかを可能な限り確かめます。大切なのは、決められたセキュリティ対策のルールを守り、情報が漏れないようにしっかりと対策が取られているかです。外部の会社と情報を共有することで、情報の守りが弱くなることは否めませんが、そのリスクをいかに最小限にするかを考えて行動する必要があります。 事前に見えている穴(セキュリティの弱点)はしっかりと対策しましょう。
・信頼性と実績
過去の業務実績や依頼予定業務と同種の仕事経験を調査することが重要となります。 図面の一部は外部に委託可能で、一部はできないこともあります。 仮に外部委託が問題なくても、どの範囲まで委託可能かを事前に調査する必要があります。 そして受注体制の確認も合わせて行いましょう。 この調査では、相手が明確に質問に答えられるかを確かめられるため、文章でのやり取りで行うことです。 この対応がしっかりしている会社を選ぶことが重要となります。 信頼できる会社は情報漏洩のリスクが低い傾向があります。 信頼できる委託先を選ぶことは、情報を守るための最初のステップです。 安全な情報の取り扱いや保管基準を決め、一緒に仕事をする会社との信頼関係を築きましょう。 そして、少しづつ信頼を積み上げる事で、将来の大型受注にも対応できるようになります。
・契約条項と機密保持契約
契約書を詳細に確認し、機密情報に関する社内規定に準じた契約を締結します。情報漏洩を防ぐためには、機密情報の保護に関する契約が不可欠です。CAD図面には重要な情報が含まれています。情報漏洩を前提にした堅実な契約書を作成することが重要です。 初めの取り決めが今後の取引のベースとなる為、確認できるところは遠慮することなくしっかりと確認しましょう。
・コミュニケーションと報告体制
頻繁な進捗報告と円滑なコミュニケーションのために、定期的な報告体制を整えましょう。 プロジェクトの進行状況を把握し、情報を効果的に共有します。 問題が発生した場合は迅速に対処できるよう、常に状況を把握し適切な対策を講じます。 円滑なコミュニケーションを保ちながら、プロジェクトをスムーズに進めることを心がけます。
・内部チェックと監査
委託業者の作業を定期的に内部で点検し、適切な監査を実施します。 セキュリティを保つために、作業内容を定期的に見直し、必要な対策を講じます。 リスク管理は継続的で、常に最新の情報を取り入れる必要があります。
・まとめ
金額と成果品の品質、金額とセキュリティには密接な関係があります。 何かをするためには、必ずお金が掛かります。 作業にかかる時間自体は国によって大差はありませんが、費用は大きく異なります。
したがって、同じ図面の成果品を得るために、日本と他の国で作業をする場合には大小の違いが出てきます。例えば、2023年11月時点での日本の最低賃金は時間当たり約1,000円であり、アメリカでは約2,000円、バンコクでは約200円です。 同じ作業でも、これだけの金額差が生じます。
これらから分かることは以下の図に表すことが出来ます。
何に重点を置くかに寄りますが、一般的に言って、金額を掛けるほど完成品の精度は上がり、セキュリティ対策もしっかりします。 それに引き換え金額をケチると、それなりの成果品の精度でかつ、セキュリティにも疑問符が付くようになります。 扱う図面がしっかりとセキュリティを担保されているかどうかは、仕事を出す前、見積もり時点でしっかりと確認しておきまましょう。
当社ではすべての作業は日本国内で完結しており、わたくし達日本人だからこそ細やかに行き届いた図面が書けますし、最後までしっかりと課題解決に取り組むことが出来ると自負しております。