修正ありきで図面を描く事を常に考えてみる
「修正ありきの図面」というと、マイナスイメージで、「修正が無い図面を描くことを優先するべき」ではないのか?というご意見が出そうですがあえてこのように書いております。
CAD図面を描く際に、最短の工数でCAD設計を行うのは当たり前としても、なかなかそうはいかないのもまたCAD設計の難しいところと言えます。
不要なものは一切省いて描くことは理想ですが、理想形状に至るまでには様々な検討、比較、確認の上で一つの部品が確定します。
そのことから、効率的に描く事を目指してほしいですが、実際には比較する情報を図面に書きこむ事で、後で見直す際にすぐに情報に当たることができるので、結果的にはCAD図面の精度や、速度が向上するものです。
急げば回れではないですが、図面の確定前ではCAD図面内における情報であれば入れている方が良いです。
常に後の事を考える
これはCAD設計では特に考えておいて欲しいものです。
特に、設計を共同で行っている場合は特にそうです。
・手元の紙図面があるから良いとか、
・必要に応じて電話や、打ち合わせで情報共有するからよい
と考えていると、どうしても「資料を探す」、「返事を待つ」等の不要時間が発生してしまいます。
CADデータは場所は取らないことを考えると、案1、案2を図面に落とし込みながら設計するぐらいでちょうどいいとも言えます。
あとこれはCAD設計者によくあることですが、CAD設計者はパソコンで作業をするためこんなことをよく考えがちです。
・ここは分かりにくいから、現場で穴開けてもらえばいいや。
・ギリギリなので、組立精度によっては当たるかもしれないけど、その時は現場で追加工してもらえばいい。
のように、現場作業を当てにするのは基本NGです。
穴一つ開けるのに一日掛かるときもある
現場で穴開けるにしても、M3、M4、M5程度は良いですが、M10とか、M12を追加工できますが、準備から考えると現実的ではありません。
また、加工機が入ればいいですが、入らない時は部品をばらす必要が出てくることを思うと、穴開けだけで丸一日かかることもあります。
同様に、接触部や、近接部を削除するにも、サンダーなどの機器が入るスペースが必要。削除した切り粉が飛び散るのでその対策が必要、などと考えると、後加工は基本NGです。
かといって、後加工を全く無くすこともできないので、そのような個所はばらしやすい構造にするとか、後処理を考えた設計にするといいです。
CAD設計では、穴開けや後加工なんて言うのは指先で出来る作業です。
しかし、現場では上記のように加工するだけで丸一日掛かることさえあるのです。
ですので、何でもがちがちにする設計ではなく、余裕を持たせた設計にすることが必要です。
これは先日の記事でも書いたように、2次元図面でも余裕を持たすことで見やすい図面になると書いたと思います。
余裕を持つことは後で楽になることにつながる
余裕がある図面、余裕のある機械図面、余裕のある建築図面のように、余裕をもたすことで、後で発生する作業にも余裕を持って対応が出来るものです。
もし後加工が必要になりそうな図面を今書いているのなら、その加工するのにどんな準備が必要か?と考えてみるとCAD設計の仕方が変わると思います。