手書き図面をCAD化する具体例 1
手書き図面をCAD化するとは
先日の記事ではCAD化する意義を上げましたが、もう少し具体的な例をご紹介します。
CADを使うのが当たり前の現代でも、手書き図面は世の中で最も多いのではないでしょうか?
CADが使われるようになったのは、ここ数十年でしかないので、それ以前の図面は全て手書きです。
過去資産としての図面はまだまだ紙ベースで残っていて、必要に応じてCAD化して使われているのが一般的と思います。 もしくは、予算を取れる会社では、毎年決まった量をCAD化しています。
基地局図面とは
携帯電話の基地局というものがあり、ビルの屋上にアンテナがついています。
このようなアンテナを設置するときの図面がどのような流れで手書きからCAD図になるかを説明します。
どこへ設置している?
この例のように、マンションの屋上にアンテナ設置が一般的です。
廻りを見回せる(見通しの良い)場所にアンテナを設置します。
このアンテナを設置している設備のことを携帯基地局といいます。
基地局設置はどのマンションでも良いわけではなく、電波を届ける範囲から逆算し、高さも十分にあるビル、マンションが選定され、持ち主の了解を取れたビル屋上へ基地局を設置します。
また、ビル屋上で重量のある基地局を設置する為、梁の走っている場所へ設置します。
そして最終的に現場を確認し、ケーブルの配線場所を確認します。
携帯基地局の手書き図面とは
現場に入った際には、図面上に記載されていない物や、現状の確認をしに行きます。
そして、写真及び元図面へ簡単に手書きで配線ルート、アンテナ設置の場所を記載します。
手書き図面のCAD化とは
最終的にはこのように、アンテナ設置場所、配線ルートが明記された図面を描く事になります。
これとは別に、各アンテナ固定、配線固定の方法、鋼材などのサイズ、設置場所、アンカーなどの詳細が記載された図面を描きます。
携帯基地局のように、現場作業が必要となる作業においてはほぼ事前調査が入ります。
その際に各図面へ手書きで情報を記入し、事務所へ戻って取付図や、部品図まで落とし込んでいきます。
このように事前調査で手書き図面が創られ、最終的にCAD図へ落とし込まれるのがよくあるパターンとなります。
このような流れで手書き→CADとなります。
今回は手書き図面のCAD化の一例として、「携帯基地局の配線図」について説明しました。
「手書き図面をCAD化する具体例2」として、「建物内の無線機の配線図」の手書き図面をCAD化するとどのようになるのかを実例を合わせて別記事でご紹介します。
手書き図面の良くある悩み
手書き図面は、どんな現場でも欠かせない存在です。紙に描くか、タブレットで作成するかは異なりますが、手書き図面の重要性は揺るぎません。手書き図面には利点もありますが、同時に悩みもつきものです。事務所に戻った後、手書き図面をCAD化する際の工程や、CAD化するスタッフのことを考えながら手書きすることで、後のCAD化作業がスムーズになります。手書き図面を描く際によくある悩みを理解し、それを考慮に入れながら取り組むことが大切です。